暑さが少し和らいで、マスク着用の暑苦しさも以前より少し楽になってきました。
油断せず、赤磐ぐんぐんではコロナ感染予防対策と共に、お子さんへの水分補給を促していきたいと思っています。

 

 

今月のテーマは、
「『遊び』から 人との関わりを広げていくことを ご家族と共有すること」についてです。

 

赤磐ぐんぐんは、「家族同室型」療育です。
療育での限られた時間で、ご家族がお子さんの子育てのコツをつかめるように、
お子さんへの支援と共に、家族支援も丁寧に行いたいと思って取りくんでいます。

 

幼児期は、一般的に「遊び」を通して興味の幅を広げ、手先や身体の使い方、人との関わりや遊びのルールを学んでいきます。
ぐんぐんに通っておられるお子さんたちも、遊びを通して色々なことを学んでいきます。
「先生と遊ぶ」時間を作り、スタッフと一緒に遊ぶ様子を見ていただき、興味関心や遊び方・やりとりの仕方・人との関わり方などをご家族と共有しています。
実際に遊ぶ様子を見ることに合わせてご家族から園や家での情報を伺うことで興味のあるものや遊び方を知ることができるため、
遊びの種類や幅を広げたり、療育の中でも一緒に遊ぶきっかけやお子さんの特性理解につながるヒントになっています。

 

また、23人のお子さん同士でのグループ活動の姿をご家族と一緒に見る機会を作っています。
興味のありそうなものをいくつか用意しておき、その中からお子さんが自分で選び、同じ場所を共有しながら遊ぶ設定です。

 


活動では 次のようなことを意識してご家族に見ていただきます。


・相手の子への意識の向け方は?

(例:ちらっと見る、じっと見る、まねをする、まねされているのに気づくなど)


・相手の子への関わり方は?

(例:見つめている、近寄って見る、声をかけるなど)


・大人(スタッフ)の関わりによって様子に変化があるか?

(例:「〇くんは、~しているね」などの遊びの実況、名前を呼ぶ、指さしをする、楽しそうなふるまい、大げさな反応など)

 


活動後には、ご家族同士やスタッフとで 気づいたことを話し合っています。

「ブロックが好きすぎて、お友達がそばでしても、声かけても気づいていないかも」

「組み立てた後に、『何してるのかな』という感じでお友達を見てる時があった」

「自分の好きそうなものを、お友達が持っていると見ていた」

「『ほしい』と思っても、なかなか言えずにいるのが分かった」

「『ほしい』と思ったら、許可も取らず、さっと取っていた」

「そもそも相手の存在に気がついていないのかも」

「先生が『〇くんが車を作っているね』と指さしたり、『わぁ、それかっこいいね』と言うと、ちらっと見ていた」

「お友達が『先生見て』と言って見てもらって楽しそうにしてるのを見て、真似ができた」

など、多くの気づきやコメントがありました。


大人の関わりがきっかけで、相手への意識の向け方が変化する様子をコメントしてくださることもありました。

 

「好きなものを使って、楽しそうにしてたら人を見るかも」

「大人が関わるモデルを見せたら、まねをして関わるかも」

「遊びをそばで先生がしていたみたいに実況したら、側にいる人を意識するかも」

など、ご家族から人との関わりを作るきっかけになる気づきを語られることもあります。


私たちは、このようなご家族の気づきやコメントをとても大切にしています。
「こうしたらうまく関われますよ」とお伝えすることも 場面によってはしていますが、
それ以上にご家族が感じたこと・思ったこと・やってみれそうだと思うことが、家庭で子育てをする際のコツに繋がると思うからです。


ご家族が気づかれた関わり方を次のグループ活動や遊びの中で、スタッフが実際に実演してみせ、宿題としてご家族が家庭の中で取り組んでいただくこともあります。


 

実際に家庭で取り組んでくださった方からの感想をご紹介します。

 

「最初のころは玩具に集中して、周りの人は全然意識してなかったです。

本人が好きすぎるとそっちに集中してしまうから、ほどほどに好きなもので、楽しそうにそばで遊んだり、実況したり、モデルを見せるのを続けてきたら変わってきたなぁと思います。

先生が関わるモデルを見せるとよく見てまねをするようになったし、だんだんと自分から『これ同じだね』と近づいてお友達に声をかけたり、周りをちょっと見るようになりました。家でも、話しかけられたら『そうだね』とコメントを返すようになって、人を意識するようになったなぁと思います」

 

お子さんの成長の姿を療育の中で一緒に見たり、
家庭や園での普段の様子を聞かせていただいて
「こう関わったらこう伸びたね」ということを、
ご家族と一緒に喜びあえるのは、
赤磐ぐんぐんの療育で、とても嬉しいことの一つだなと感じています。

 


今後も、赤磐ぐんぐんでの活動を通じて、子育てのコツをご家族と共有することを丁寧に続けていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。

 


(赤磐ぐんぐんスタッフ:T