ぐんぐんぴっぴの大きな窓から、ついこの間まで日差しがギラギラと照りつけて蝉の声と共に暑さを感じていたのに、いつの間にか抜けるように青い空が見え窓から入ってくる風が心地よく過ごしやすい季節になってきました。


 子どもたちがぐんぐんぴっぴのお庭で見つける生き物もカタツムリやカエルからトンボやコオロギに変わり、秋を感じますね。

 

さて、今年度も半分が過ぎ、後期の個別支援計画を立てる時期になりました。今までの取り組みを振り返り、今後のお子さんの目標について考える機会です。後期も保護者の方と一緒に取り組み、お子さんのできることを増やしていきたいと思っています。

 

そこで、今回は子どもの「できた!」と保護者の「できた!」について紹介します。

 
 A君とつみきで遊んだ時のことです。保護者の方から、「途中でつみきが崩れないか見ていてドキドキしました。」と言われました。お話を聞くと、A君は作っている物が壊れたり、上手くできなかったりした時に、いつも「もうやらない!」と泣いてしまい立ち直るまでに時間がかかるとのことでした。


 その度に保護者の方は「またかぁ・・・」となり、毎回「壊れたらどうしよう・・・」「上手くいきますように」と心の中で思いつつ、ヒヤヒヤしながら見守っていたそうです。そういったお子さんの姿を見るのは、誰でもしんどいですよね。

お話をして分かったことは、保護者の方もA君が上手くいかなかった時にどうしたらいいのか方法がわからないということでした。上手くいかなかった時はなぐさめたり、「ほら、ここをこうしたら大丈夫よ!」など言葉をかけたりしてみるものの、後の祭りといった感じで、Aくんが落ち着くまでそっと寄り添っておられました。

一方でA君も、一生懸命作っている途中で自分が作った物が壊れるなんて想像していないし、壊れた時にどうしたらいいかわからず泣いてしまうようでした。つみき以外でも園の行事や家でのお手伝い、お友達と遊んでいる時にもそんな状態になってしまうことがしばしば・・・。

このようにどうしたらいいかわからないのはお子さんだけでなく、保護者の方も同じくどうしたらいいかわからず、事が起こった後に対応していることってありませんか?

 

A君の様子や保護者の方のお話から、A君は自分の期待していることと違うことが起こることに耐えられない一面があることを保護者の方と確認することができました。だからこそ、事前に想定外のこともイメージしてその対処法まで考えて伝えておくことが必要なのだと気付かれました。そして、作っている物が途中で壊れた時にA君はどうしたらいいかを教えるために、A君ができそうなことを保護者の方と一緒に考えてみました。その結果、「もう一度やり直してみる」「大人に手伝ってもらう」ならできそうということでした。

 

早速A君と遊ぶ時に、“事前に”上手くいかない時には“どうしたらいいかを具体的に”伝えてから遊びを開始しました。(学習してもらうために、あえて遊びの中で上手くいかない設定をしておきます。)

するとどうでしょう。「ん~、できないな。」「むずかしいよ。」と言いながら少し頑張った後に、A君は泣くこともなく、「もうやらない!」ということもなく、教えられた通りに「先生手伝ってください」と言うことができ、完成させることができました。泣かずに「できた!」と体験した瞬間でした。

一度教えたらどんな時でもできるわけではないので、様々な玩具で、場面や人を変えて、繰り返し教えていくことで、A君も保護者の方もどうしたらいいかがわかるようになり、ご家庭でも“事前に”“どうしたらいいかを具体的に”伝えることで上手くいく場面が増えてきました。


 事前に伝えることを意識することで、保護者の方はお子さんの行動予測ができるようになり、今ではヒヤヒヤしながら見守るのではなく、事前に伝えておくことで安心してわが子を見守れるようになられています。

伝えていたけど上手くいかないことも実際にはありますが、そんな時はまた別の方法を考える。思いつかない時にはスタッフに相談する。そうすることで、お子さんだけでなく保護者の方にも「私にもできる!」を感じてもらえる機会が増えていくといいなと思います。

「できた!」の成功体験は子どもにとっても大人(保護者)にとっても大切であるということを、A君とA君のお母さんから教えて頂きました。

これからも、保護者同伴の療育の良さを活かし、お子さんにも保護者の方にも「できた!」がたくさん感じられるように、保護者の方と一緒に考えながら取り組んでいきたいと思います。


ぐんぐんぴっぴスタッフ:A