9月末で蔓延防止等重点措置が解除され、園の行事ごとが解禁となったようで、ぐんぐんに来てくださるご家族からは「びっくりすぐるらい行事が目白押しです」「運動会が終わったら、遠足とか小学校とか色々あって。大変ですー」と教えてくれます。

そんな風に忙しい中、療育に来ていただけることがありがたいですし、なお一層頑張らなくては!と思う今日この頃です。

 

 

今日のテーマは、

「療育のお仕事をする中で、私が難しいけど大切だと思っていること」についてです。

 

私は、この4月から赤磐ぐんぐんで働くようになった新人スタッフです。
保育現場で時々発達障害や自閉症のお子さんと関わってはきましたが、療育機関で働くのは始めてです。

 

これまでも、保育の仕事をする中で、自分なりに勉強し「自閉症のお子さんにはこういう風に関わったらいいらしい」というようなことは、それなりに知ってきたつもりでした。

でも、赤磐ぐんぐんで働かせてもらうようになり、4月から様々な勉強や研修を受けてきて、自分自身の中で、自閉症に対する考え方が大きく変わったように思います。
そして、「今までの自分は、自閉症のことを全く分かっていなかったんだ」と、今改めて感じています。

 

療育で、例えば勉強課題を考える時にも、たくさんのポイントがあります。

・お子さん本人の特性や気質はどんなものがあるかを観察する

・どうすればできるようになりそうかスモールステップで計画する

・この力を育てることが、お子さんのどういうことにつながるのかを見通す

・取り組んだ時に成功できそうか・優先順位はどうかを検討する

                                                                        などなど。

 

また、どんなにやった方が良い目標だったとしても、お子さん本人が楽しいと思える・やりたいと動機づけられる課題になっているかもとても大切な視点になります。

こちらが狙っていることを、お子さんに楽しみながら取り組んでもらえるよう、どんな工夫ができるかを日々考えながら実施しています。

 

 

先日、児発管の先生とご家族との面談が行われ、後期の新しい個別支援計画が作成されました。
「ご家族や本人のニーズが何か」
「どういう根拠でこれが目標として設定されているのか」
「今現在はどんな様子か」
「本人の取り掛かれそうなところはどういうところか」などを
具体的に児発管の先生が作ってくれたシートを確認しながら、
改めて同じようなコミュニケーションや社会性の目標やねらいがあったとしても、一人ひとりがそれぞれに特性・ご家庭の背景・今現在の力・興味関心などの違いを確認しました。
そうなると、当然課題の設定も違ってきますし、提示の仕方も変わってきます。

私は、今はまだ日々の課題を立てるのにも時間がかかっていますが、
こちらの設定がうまくお子さんにハマって、自発的に表出する場面がみられたときは格段に嬉しいですし、
その様子をご家族とシェアし、一緒に喜びあえることが、自分自身の次への意欲になるなぁと感じています。


一朝一夕にはいきませんが、自閉症について学び、そしてお一人お一人のお子さんのことを知っていくことが大切なのだと感じています。
これからもやっていきたいと感じているところです。

 

 

もう一つ、私が難しいけど大切だと思っていることは、「家族支援」についてです。

 

赤磐ぐんぐんで働きだすまでは、自閉症のお子さんの「本人支援」を大切にするということはイメージがありましたが、
「赤磐ぐんぐんは、家族支援も大切にしているんだよ」とお話を聞いても、なかなかイメージがわきませんでした。

 

赤磐ぐんぐんのような「家族完全同室型療育」というのは、全国的にも珍しいそうです。

 

本人支援をしながら、同室しておられるご家族に

・本人の特性や思いを伝えること(ご家族の思いを大切に受け止めた上で)

・普段の様子について、連絡帳などを介して共有すること

・困っていることや悩んでいることの相談に応じること(一緒に考える)

・療育の中で、こうするとうまくいくというのを一緒に実感してもらうこと

・家庭で取り組めそうな課題(宿題)を出すこと

これらをするのが、赤磐ぐんぐんでの療育です。

 

これらを、短い療育の時間で全部やろうとしてもまだまだ難しく、先輩スタッフの先生方にアドバイスを受けながら、日々取り組んでいます。

その中でも、私が特に難しいなぁと感じていることは、最後の「家庭で取り組めそうな課題(宿題)を出すこと」です。

今日見られたお子さんの様子や現状を踏まえた上で、
一週間後の療育までに家庭でできそうなことを提案しているつもりなのですが、
私はついつい「宿題を提案しなければ!」という思いが先走り、
前述したようなお子さんの興味関心・現状・ご家族の想いなどをうっかり置いてきてしまったり、
他のお子さんに出している宿題をそのまま別のご家族にも提案しようとして先輩スタッフの先生に止めていただいたりすることもあり、
「もっともっと先を見据えて想像力を持って考えなければ」と反省します。

 

そんな中でも、出させていただいた宿題をお忙しい中、ご家庭で実施してくださり、
連絡帳やお話を伺う中で
「先生に相談した分、、やってみたらうまくいきました」
「難しいと思っていたけど、一つ一つやっていったら取り組んでくれました」
「アドバイスいただいて、今できることが見えてきました」
「お父さんともやってみたら、やれました」
「家族も療育の成果を感じてくれたみたいです」
などの手応えを感じてくださったりしていてとても嬉しく思います。

 

以前、赤磐ぐんぐんのコンサルに来てくださっている
諏訪利明先生(川崎医療福祉大学)が講演会の中で「幼児期は家族支援がとても大切」とお話されていました。

 

療育という短い時間でやれることはあまり多くはないかもしれません。

それでも、お子さんやご家族にとって貴重な一週間に一度の療育の時間です。

赤磐ぐんぐん以外で過ごす時間の方が圧倒的に多い分、一緒にご家族と考え合うことで、ご家族がお子さんの特性などを知っていただき、
家庭でやれること・できることがたくさんあること、お子さんにぴったりあう関わり方や工夫があることを、ご家族が見つけていけるようになることが、療育の基本なのだと、先輩スタッフの先生たちから日々教えてもらっています。

療育に通われる中で、
「うちの子ってこういうところがあるんですね」
「こういう工夫があればやれるんですね」
ということにつながり、
ご家族がお子さんの一番の味方で一番の理解者でさえあれば、
きっとこれから色々なことが起きても、周りの助けを借りながらやっていけるし、絶対大丈夫だと思うんです。

 

私も、毎日の振り返りミーティングや、隔週の療育スタッフ勉強会などを通して、先輩スタッフの先生たちから色々教えていただきながら、
お子さんの特性の説明の仕方・連絡帳について話すときのポイント・相談への対応の仕方、そして自閉症についてもっともっと勉強していきたいと思っています。

お子さん一人ひとりが理解され、過ごしやすい社会であってほしいと思います。

 

これからも赤磐ぐんぐんをよろしくお願いします。

(赤磐ぐんぐんスタッフ:Y