お盆が過ぎ、すっかり涼しくなりましたね。

夏休みもいよいよ残り数日となり
小学生のご兄弟がおられると
宿題など佳境に入ってきているのではないでしょうか?

新学期に向けての色々な準備も始まっていますよね。
松田家でも、小6・ASDの息子から
「そういえば、そろそろ上靴がボロボロだわ」
「始業式の日に雑巾がいるらしい」
「あと消しゴムももうこんなの(1センチ)しかない」
など色々言われまして。

「早く言えよ!!」と思わず言ってしまいました。


そんなこんなで今日のテーマは
「『怒る』と『叱る』について」です。


「怒る」ってなかなかエネルギーがいりますよね。

ASDのお子さんに
「そんなことしていいと思ってるの?!」と聞いて
「思ってる」と言われたり

「お母さんの話聞いてる?!」と聞いて
「聞いてはいる」と言われたり

「じゃあなんでお母さん怒ってると思うの!?」と聞いて
「分からん」「なんか機嫌悪いの?」とか言われたりして

さらに燃料投下していくとか、ざらにあるなぁと思います。


「怒る」時ってこちらも感情爆発でイライラしていて
なんなら昔や過去の話も蒸し返してしまって
後から「怒りたくないのになぁ」と自己嫌悪にもなる。

怒って本人の行動が改善するなら
それでもまぁ…となるかもしれませんが

大抵の場合ASDのお子さんは
怒られても行動改善しません。
残念ながら。
マジで。


なんでかというと
こちらの意図が伝わっていないからです。
ASDの本人の立場に立てば、さもありなん。
怒る

「そんなことしていいと思っている」
=何が良いか悪いかの善悪や社会通念的な決まりや
 今それをしている場合かなどの善悪や状況判断が難しい

「お母さんの話聞いてはいるけど…」
=耳があるから聞いてはいるが、
 そこに含まれる「反省しなさい」という暗黙的メッセージのキャッチはしていない

「お母さんが怒っている理由が分からん」
=相手の立場に立って客観的に見ることはなかなか難しい。だってASDだもん

だったりするんですよね。


そうしたらどうするか。

「怒る」ではなく
「叱る」「注意する」「諭す」という視点が必要になります。

なぜ今それをしている場合ではないのか
=時間とか周りの状況とかを説明して教えて気付かせる

聞いているのかを確認している
=何を指摘されているかを確認されている

お母さんの怒っている理由を聞かれている
=お母さんの考えていることや困ったことなどを具体的に伝える

等が必要になったりします。


これをするには、
大人側の感情コントロールが必要になります。

怒りで頭がいっぱいになっていると
冷静には伝えられない。

だから難しいんですよね。


大人でも子どもでも、
怒られている時は脳がフリーズ状態になります。

バイトでクレーマーに怒鳴られた時
冷静に対処ができるようになるには
かなりの年数がかかったでしょうし

恋人に「今日何の日か覚えてないの!?」と言われら
「ここで答えを間違うととんでもないことになるぞ…」と思っても
何も思考ができなかったりしましたよね。


効果的に行動を改善してもらうには
やはり落ち着くことが大事だったりします。難しいけどね!!


ま、
「叱る」「注意する」「諭す」をしたとしても
すぐには効果が表れない・伝わらないこともあります。


先日我が家でも
娘(年長:ASD)に対して
「怒ったらダメだ」と思い
かなり自己コントロールをしながら
丁寧に注意していたら
「うん、うん…」と殊勝な態度。

聞いているぞよしよし、と思っていたら

「で、話は終わった?
 そろそろYoutube見てもいい?」と言われて
さすがにキレかけました。笑

母さんの着火点をねらってきているというか
「今じゃねぇよ!
 あとせめて5分は反省のポーズ取って!!」と言うと
「分かった」とタイマーを持ってきて5分セットしていました。

そうじゃねぇんだなぁ…と思いながら
もっと短く分かりやすく端的に注意したり叱ったりして
行動を教えていく方法を考えねばと思いました(笑)。

皆さんの「怒る」「叱る」エピソード、また教えてくださいね♪


(赤磐ぐんぐん療育スタッフ:松田紗代)