最近になりコロナ感染者もようやく減少傾向になってきましたが、ぴっぴでは引き続き感染症対策のため入口のドアを網戸にしています。
療育開始の5分前、その網戸から「せんせ~い」という声と共に、かわいい笑顔がひょっこりのぞくことがあります。自分が来ているよ!ということを自ら教えてくれていること、ぴっぴを楽しみにしてくれていることがその笑顔から伝わり、その笑顔からパワーをもらっている今日この頃です。

Aちゃんのお母さんから「わが子と一緒に遊びたいと思うのですが、なかなか一緒に遊べなくて。一人で遊んでいる時の方が楽しそうな気がして。どんな風に私が関われば楽しく遊べるのか知りたいし、練習していきたいです。」とご相談を受けました。


実は、ぴっぴに通ってる保護者の方から「お子さんとうまく関われない」「一緒に遊ぶことが難しい」といったご相談を受けることは少なくないのです。ぴっぴは保護者の方と一緒に考える事を大切にしているので、さっそくAちゃんと楽しく遊ぶ方法を保護者の方と一緒に考えることにしました。

まずは、Aちゃんがどんな風な遊びや遊び方が好きな
のか観察してみる事にしました。
Aちゃんはプレイエリアにあるお寿司パズルが大好きで「おすしちょうだい!」と上手に要求し、遊び始めました。

しかし、支援者がお寿司を食べる真似をしても、お寿司を注文しても一向にAちゃんからの反応はなく、黙々とパズルを組み立てているAちゃん。
その次の週は犬のパペットを使い、寿司を食べようとすると「いや!」と拒否する様子が見られました。一緒にその様子を観察していた保護者の方から「家でもAちゃんが遊んでいる時に一緒に遊ぼうとすると同じような状態になるんです」と教えていただきました。

そこでお母さんとなぜお寿司パズルで一緒に遊べないかを考えてみることにしました。

 

・お寿司パズルは興味が強すぎるため夢中になりやすい

・一人で完成させたい気持ちが強いため、誰かと一緒にやりたいと思っていない

・手元に集中するため、相手からの働きかけに気がつかないのかもしれない


ということが一緒に遊べない理由なのではないかと考えました。


そして、お母さんと、もしかしたらAちゃんと関わって遊ぶなら、『何を使って遊ぶか』ということが大切になるかもしれないという話になり、Aちゃんと一緒にあそびやすい遊びを考えることにしました。

お母さんから「ダイナミックな動きが好きで,体を使った遊びがいいかもしれないです」というアイデアを頂き、タオルブランコ(大人がバスタオルの両端を持ち,子どもを乗せて揺らす)をすることにしました。結果は,大成功でした!

「ぶーらんこぶーらんこ
 ぶーらんこぶーらんこ ぶーらんこぶーらんこ3,2,1」とAちゃんをタオルに乗せて揺らせて見せると、タオルを揺らすお母さんや支援者の方へ笑顔を向けてくれます。
そして、何度か繰り返し楽しむと、「3,2,1」で床に下ろされたタイミングで、Aちゃんから
「もう一回して!
」とリクエストがありました!!

タオルブランコの遊びを通して、Aちゃんは人と遊ぶ楽しさを感じていることが表情からも伝わりました。Aちゃんの好きなダイナミックな遊びであったことはもちろんですが、大人がいないとできない遊びであること,いつ終わるのか歌があることで予測できたこともAちゃんが安心して楽しく遊ぶことに繋がったのではないかなと思います。

お母さんからも「このあそびいいですね! 家でもぜひやってみます!」という言葉が返ってき、その次の週には「先生、やってみました! 家でも喜んで何度も何度も繰り返し楽しめました」という嬉しいご感想をいただきました。Aちゃんとの楽しい関わりの時間を持つことができたお母さんの喜びがたくさん伝わってきました。

現在は、タオルブランコ以外にもAちゃんと一緒に楽しく遊べるあそびをお母さんと見つけているところです。
今回のことを通して,目の前のお子さんの様子から,その行動をとるのはなぜだろう?
もしかするとこの遊びならいいかもしれない!と保護者の方と一緒に考え、実践してみることの大切さを学ばせていただきました。

今後も保護者の方一人一人との連携を大切にしながら、お子さんが “人とかかわって遊ぶって楽しい!もっと遊びたい!という気持ちの芽生えを大切に大切に育てていきたいと思います。

そして、保護者の方と一緒に成長を喜び合えるぐんぐんぴっぴでありたいなと思います。

ぐんぐんぴっぴスタッフ:T