外気温が30度を超える日が続き、
こないだまでカエルの合唱だったのが セミの大合唱に代わっています。

明日から幼稚園や小学校は夏休みですね!
まだ あまり遠くには 行けませんが
楽しい夏休みに なりますように。


さて、今日のテーマは
「『手伝って』『教えて』の 手前にあるもの」についてです。


ご家族とお話していると
「『うまくできない時には言いにおいで』と言っていても、全然言いに来ない」
「一人で怒ったり泣いたりして 『どうしたの?』と聞いても 全然言わない」
「こないだは 手伝ってやったら『なんで早くやってくれないの!?』とキレてきた」
などのお話を聞くことがあります。


ASDのお子さんたちは
「対人コミュニケーションのやりとりの違い」があるために
自分から「手伝って」「おしえて」と言うことが難しいケースがあります。


そのため
赤磐ぐんぐんの療育の中で「手伝って」「おしえて」の練習をしていきます。

おしえてカード

(たとえば、こういう視覚支援を使ったりね)

でも
実はその「手伝って」や「おしえて」の前に
必要なものがあるんだよなぁと 最近スタッフとよく話しています。


今日は その話を少ししたいと思います。


たとえばそれは、
①「本人の中での気づき」
②「伝えたいという モチベーション」です。


①について。
お子さんによっては、
うまくいかなくてイライラしていて 周りに助けを求めるところに至らないこと、
どういう時にどういうタイミングでどう言えばいいか 知らないこと、
うまくできなければ「おしまい」と片付けてしまう方法を取得していること、
自分が「分からない」「困っている」状況にあることに 気づいていないことなどがあります。



②について。
お子さんによっては、援助を求めたら良いということは知っているけれども
「自分でやりたいんだ!」という意欲が強いこと、
「人に伝えるぐらいなら我慢しよう」と相手に伝える意欲が少なくなっていること、
「何もかも分からない、この課題自体が嫌だ」と嫌になりすぎていること、
「できないと思われたくない」という思いがあることなどがあります。


①や②みたいに なっているとですよ。
机上学習でいくら教えても、
定着はしませんし 家庭や園に広げての実践が 難しくなります。


赤磐ぐんぐんでは、
「手伝って」「おしえて」が出づらいお子さんに対しては
こういう可能性をご家族と一緒に確認しながら
なぜそれが出づらいのかの原因を検討して 支援の方法を探っていきます。

それは
「手伝って」「おしえて」が出ない=絵カードを使えば問題クリア
という単純な図式ではないからです。

もちろん、お子さんによっては絵カードがヒントになる子もいます。

でも「この工作は好きだから、うまくできなくても何とか自分でやりたいんだよ!!」と言う子には
自立してできるような設定にしてあげて、
もっと別の場面で援助要請の練習はした方がいいでしょうし

「誰にどのタイミングで渡せばいいか分からん」と言う子には
相手やタイミングを 明確にして、
成功体験を多く積み重ねて自信をつけることの方が有効かもしれません。


ついついカード!視覚支援!となりがちだけど
スタッフ同士で
「まてまてーい」「ほんまにそれでいいのか??」と
日々のミーティングで よく話し合っています。

スタッフで考えて、ご家族と相談してやってみて、うまくいかなければ再度考える。
その支援が合っているかは いつだってお子さんの行動が教えてくれます。

ASD支援には
「こうしたら、どの子にも絶対うまくいく」はありません。

先日、赤磐ぐんぐんコンサルの諏訪利明先生が言われていました。
「まるで謎解きやパズルみたいだよね」と。

だからこそ
面白いし、その子に合う支援が見つかった時の喜びは大きいんですよね。


そういう喜びを
これからもたくさんの毎日の発見と共に
ご家族と一緒に感じていきたいなぁと思います。


(赤磐ぐんぐんスタッフ:松田)